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DE&I
DE&I推進の一環として
グループ全役職員対象に
LGBTQ研修実施
JICグループはDE&I推進の一環として、全役職員を対象に「LGBTQ・SOGIの観点から多様性推進の意義を考える」と題した研修を実施しました。講師を務めていただいた認定NPO法人 虹色ダイバーシティの有田 伸也理事のインタビューをご紹介します。
有田 伸也/Shinya Arita
認定NPO法人 虹色ダイバーシティ 理事
1986年奈良県生まれ。近畿大学理学部卒業。ホテル、飲食業界にてマネージメント業務に従事。前職で心理的安全性の高い職場がもたらすポジティブな影響を自分自身が経験したことから、「心理的安全性の高い事業所の創出」をモットーにLGBTQ施策導入を支援している。大手企業・行政でのLGBTQ施策導入支援実績多数。― JICグループで実施いただいたLGBTQ研修の感想等、教えてください。
参加者の皆さんが、非常に前向きに取り組んでくださっていると感じました。JICグループは横尾社長自らDE&I推進をリードし、経営陣の皆様も熱心に取り組まれているので、今回の研修でも参加者の皆さんの理解が早いだろうと考えていました。そのため、研修ではLGBTQやSOGIE(性的指向・性自認・性表現)に関する基礎知識や当事者の困難、相談を受けた時の対応等だけでなく、LGBTQ以外のダイバーシティ課題についても一緒に考えることができました。
― 今回の研修を通じて、どのような効果を期待されていますか。
LGBTQ課題への取組を通じて、従業員の皆さんがマイノリティ課題に対して自分事として取り組む職場環境を作っていくことで、職場での心理的安全性が高くなり、それぞれのアイデンティティやおかれている環境等に関わらず、自分らしく発言できる人が増えるという好循環を起こせると良いなと思います。そういった職場環境はイノベーションを生む源泉にもなると思います。
― JICグループにおいても、DE&I推進によるイノベーションの創出を目指しています。
JICグループで多様性によって新たな発想が生まれ、国や産業が活性化するという考えに基づいてDE&Iに取り組まれているように、我々も全く同じ信念をもって、LGBTQ課題に取り組んでいます。研修の冒頭で横尾社長が「まず知るところから始めよう」と話してくださいましたが、特にLGBTQ課題については、そもそも知る機会が少なかったために「分からない」と感じている方も多いと思います。DE&I推進の理由として、互いに認め合うことがイノベーションに繋がるというのも、その過程が分かりにくく、腹落ちしないということがあるかもしれません。DE&Iについて知る機会を増やし、不明瞭さをなくしていくことで、その意義や効果を理解しやすくなるのではないでしょうか。私はLGBTQをはじめ、DE&Iの課題に日々関わっていますので、DE&Iの推進がイノベーションに繋がると確信しています。
― LGBTQ課題への対応において、特に重要なのはどのような点ですか。
研修でもお話ししましたが、LGBTQは趣味嗜好の話と感じる人もいるかもしれませんが、性の在り方は自分で選べるものではありません。LGBTQは人権課題だという共通認識を持つことが非常に重要です。LGBTQ施策は当事者と当事者でない方の両方に配慮しながら進める必要があり、LGBTQが人権課題だという共通認識を持ち、対話を続けることで、日常の課題に対して当事者と様々なステークホルダーが同じ視座に立って取り組めるようになると思います。
― 職場でのマイノリティ課題への対応は、どのように進めていくのがよいでしょうか。
一つのマイノリティ課題に対する言動や態度は、他のマイノリティ課題を持つ人へ多分に影響があると感じています。全てのDE&Iの課題は繋がっています。そんな中でより多くの人々にポジティブなインパクトを残すために、一度自身の固定概念を振り返ってもらいたいです。誰しも自身の固定概念には中々気付かないものですので、今回のような研修を継続的に実施いただくことで誰もが過ごしやすい職場環境を醸成できると思います。また、違う属性の人の話を聞く機会を出来るだけ作り、固定概念に気付いた時に改めるということを繰り返していくことが有効です。DE&I施策を推進する上で経営陣が熱心に施策推進に取り組み、その気持ちを現場に届けることでより大きな効果が発揮されるはずです。JICでは横尾社長自らが旗振りを担ってくれており、とても心強いです。社内で正しい知識を持つ人が増えると、従業員の発言等も変わっていき、DE&Iの浸透を実感できるようになると思います。多様性は今後ますます重要になっていくと思いますので、今後も皆さんと継続的に取り組んでいければと思います。
研修実施後に行われた有田代表とJIC代表取締役社長CEOの横尾との懇談では、JICグループが取り組む女性起業家やキャピタリスト支援等を通じたスタートアップエコシステムにおける多様性推進にも触れ、DE&I課題への対応について意見交換を行いました。LGBTQ課題では匿名性への配慮が必要になる場面もあり、企業におけるDE&I推進においては、経営層のコミットメントがまず重要であり、その上で、当事者の意見を聞きながら、Equity(公平性)の観点を取り入れた具体的な取組を可視化し、当事者以外も巻き込んでネットワークを広げていくことで、加速できるという点で意見が一致しました。また、JICグループの投資先との対話を通じたステークホルダーにおける人権尊重等についても、互いに理解を深めました。
<虹色ダイバーシティについて> 虹色ダイバーシティは、LGBTQ等の性的マイノリティとその家族、アライの尊厳と権利を守り、誰ひとり取り残さない社会の実現をめざす認定NPO法人として、企業や自治体等を対象としたLGBTQ研修や学術機関との共同調査研究、行政等とのイベント等を行っています。性的マイノリティに関する情報発信、相談、居場所、イベント実施に加え、LGBTQやジェンダー平等、SDGs等の社会課題の学習の場として、大阪府の天満橋に「プライドセンター大阪」を常設しています。https://nijiirodiversity.jp/